世界旅HOME   西アジア   アルツァフ   2012年9月  
 
エレバン→ステパナケルト ステパナケルト→シューシ
→ステパナケルト
ステパナケルト→エレバン
 

 

山の中腹に廃墟が連なる


乗り捨てられた装甲車


街中にも廃墟は残る







モスク跡
これはすでに遺跡である
ほんの20年ほど前に
一瞬にして
遺跡にさせられた
宗教とは
人類を救うものなのか
人類を苦しめるものなのか
様々な矛盾が存在する
カフカスの地




教会の美しさを
素直に感じられなくなる街



3人娘
美しいですね〜
 今日の最初のミッションは、ナゴルノ・カラバフの査証の取得。すでに入国済みなのに不思議な話であるけれど、この国の特異な成立過程からすればアリなのかな…。査証の取得は、いたってスムーズ。1日遅れたことなど、まったく問題にされなかった。
 続いて、昨日仲良くなった2人のナゴルノ・カラバフ人のうちの1人に会いに行く。昨日、別れ際に「銀行で働いているから、明日会いにおいで」と言われていたのだ。再会してアドレスを交換して別れる。ナゴルノ・カラバフ人、楽しい人が多いなあ〜。

 続いて、バスで30分ほど離れた街まで向かうことにする。世界遺産でもないのに、わざわざバスを使って移動するなど、オリエント伯爵にしては珍しいこと。向かった先は、シューシという街。この街には、アゼルバイジャン人が住んでいた頃の廃墟が残っているという。
 バスTで下車すると、裏手の山の中腹に廃墟が連なっていた。見えない手に導かれるように、山を登り始める。山頂には通信施設と思われる建物が並んでいるので、あまり近づくことはしなかったけれど、平和の尊さを感じるには十分な時間であった。
 その後、街に降りていく。その途中にも打ち捨てられた廃墟がポツンポツンと残されている。皮肉にも、その向かい側には真新しい家が並んでいたりする。間違いなく、廃墟はアゼルバイジャン系住民が住んでいた家であり、真新しい家はアルメニア系住民が住む家であろう。この街では、非情なほどに勝者と敗者の区別がはっきりとしている。

 街まで降りると、モスクであった建物が見えてくる。ミナレットがなければ、イスラム教徒ではないオリエント伯爵には分からなかった程に面影はない。
 これらのモスク跡には、アルメニア系住民によって案内板が設置されている。そこには「HISTORICAL & CULTURAL MONUMENT」と記されていた。ここは、すでに宗教施設ではない。草木に取り込まれつつある近代の遺跡があるだけである。
 モスク跡の近くにも、アゼルバイジャン系住民が住んでいたであろう廃墟がいくつか残っている。山の中腹ならいざしらず、ここは街の中である。そのまま打ち捨てているあたりに、宗教対立の根深さを感じざるをえない。ちなみに、それらの廃墟の一部は、現在の住民たちのゴミ捨て場となっていた。なんのためらいもなくゴミを放り投げる姿は、心が寒くなる風景であった。
 ナゴルノ・カラバフの人たちは、とってもフレンドリーで楽しい。しかし、この現実を見てしまうと、人間の心とはどうなっているのかということを考えさせられる。憎しみは憎しみを、暴力は暴力を生む。それが分かっていながら、人は人を憎み、時として暴力で物事を解決しようとする。それは、オリエント伯爵とて同じなのかもしれない…。

 日本の皆さん。ぜひ、この国を訪れてほしい。そして、ステパナケルトで素晴らしいナゴルノ・カラバフの人達と出会い、シューシで悲しい現実を見てほしい。そして、1人1人が考えてほしい。人間というものの素晴らしさを。人間というものの愚かさを。その上で、もう一度考えてほしい。平和というものの尊さを。平和というものの難しさを。

 複雑な気持ちのまま、ステパナケルトへと戻る。しかし、ステパナケルトでのナゴルノ・カラバフ人との出会いは、マイナスの気持ちを払拭させてくれるほどに素晴らしい。
 宿では結婚式のパーティがひらかれており、「一緒に写真とってくれよ」と声がかかる。1人が終わると、次の人が、次の人が…。こんな時間が楽しくないわけがない。
 宿の向かいに住む娘さんからは、「おいでよ」と声がかかる。コーヒーをご馳走になったり、ブドウをご馳走になったり、お菓子をご馳走になったり…ご馳走になってばっかり…(笑)!この時の3人娘は英語がほとんど話せないので、コミニュケーションはあまりとれなかったけれど、こんな時間も楽しくないわけがない。

 ネットが繋がる広場へ行って、CouchSurfingでの連絡をしようとする。すると、ナゴルノ・カラバフ人が集まってきて、それどころではない…。それはそれで、困るんだけど…。
 結局、先ほどの3人娘もやってきて、もうCouchSurfingどころではなくなってしまった…。本当に、フレンドリーでカインドリーでスマイリーな国民性である。

 「陽」と「陰」が同居する国、ナゴルノ・カラバフ。オリエント伯爵が最終的に思ったことは、やはりこの国は、スリランカ・ミャンマー・バングラデシュ・トルクメニスタンと並ぶ、良い国リストに仲間入りすべき国であるということであった。
 ナゴルノ・カラバフで出会った皆さん、「シュノラ・ガルチュン=Thank you」!
 

 
エレバン→ステパナケルト ステパナケルト→シューシ
→ステパナケルト
ステパナケルト→エレバン
 

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