世界旅HOME   南アジア   インド   2012年6月  
 
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アジャンターの石窟
30ほどの石窟がある


剥離が進んでいるけれど
色彩は残されている


この壁画は美しかった


よく残っていたと感心する


柱にも絵が残る


仏教遺跡なので仏像が本尊


美しい建築様式


内部はかなり暗い
それにしても
ここまで彫り上げるとは
すごいなあ
 アウランガーバードは、オリエント伯爵基準に合致する、2つの世界遺産のゲート・ウェイの街である。今日は、そのうちの1つであるアジャンターに向かうことにする。
 セントラル・バス・スタンドまでオートリキシャで移動し、バスでアジャンターへと向かう。2時間超で到着。観光地としての「アジャンター石窟群」の評価は、「★★★☆☆」である。謳い文句のとおりに、壁画が素晴らしい。それらを眺めていると、インドが仏教国であったことが実感として伝わる。
 アジャンターからアウランガーバードに戻るバスでは、立っていたオリエント伯爵に運転手が手招きをし、運転席の横の席に相席させてくれる。このように、基本的に、インド人は優しい。それでも、どうしてもインドを好きになれない理由が2つある。

 1つ目は、商売に関することである。オリエント伯爵は旅人なので、インドの物価というものが正確には分からない。いままで訪れた場所には、コンビニはもとよりスーパー・マーケットさえなかったので、なおさらである。
 現地の物価が分からないのは、旅人の宿命なので仕方のないことである。長く滞在するにつれて、少しずつ分かってくるものだ。それは、いままで訪れた国でも同様だった。
 しかし、この国の商売のやり方は、他の国とは明らかに違う。何かを購入したいとき、少しずつインドの物価が分かってきたので、その価格を提示する。いままでの国だったら、これで何の問題もなくモノが買えた。「ああ、こいつはこの国の物価が分かってるのね〜」とでも言いたげにニヤッと笑った後に、商品を渡されたことがよくあった。

 インドでは、適正価格(それでもインド人よりは高額な場合が多いと思う)を提示しても、法外な価格を払えと言われる。「いやいや、知ってるから。○○インド・ルピーでいいよね。」と言っても、法外な価格から下がることはない。
 政府が率先して、インド人は10インド・ルピー、外国人は250インド・ルピーという、馬鹿げた入場料の設定をしているのである。一般の商売人も、頑なに外国人価格を押し付けようとしているのかもしれない。
 オリエント伯爵は、価格が納得いかなかったら買わなければいいという考え方なので、法外な価格を払えというヤツは相手にしない。違う店を探して価格交渉。たいてい、3〜5軒の店をハシゴすることになる。限りなく、面倒くさい。
 多くの外国人は面倒くさくなって買ってしまうんだろう。でも、その行為が、ヤツらを増長させていることに気づいてほしい。

 2つ目は、カースト制度である。オリエント伯爵は、「土地を観る」・「人と関わる」・「出来事を楽しむ」という、旅の3つの目的を大切にしているので、それぞれの国を興味深く訪問してきたつもりでいる。
 その結果、ミャンマーのように素晴らしい国にも出会うことができたし、中国のように長くいすぎたために膿んでしまった国との出会いもあった。誤解のないように書いておくけれど、中国は長くいすぎたために疲れてしまっただけで、“嫌い”と言い切るほど悪い国ではない。

 しかし、カースト制度だけは、どうにもオリエント伯爵の価値観が、その存在を許さないようだ。たんなる差別だけには留まらない、致命的な欠陥を内在した制度だと考える。
 日本を含め、これまで訪れた国の人々は、少なからず自分の国は“まだまだ、あかんなぁ”という気持ちをもっているように思えた。この気持は大切で、自分の国を良くしようという向上心につながっていく。
 ところが、カースト制度があるインドは違う。カーストが上位のヤツらは、自分たちが偉いと思っている。そこに、向上心は存在しない。カーストが下位のヤツらは、自分たちがどうしようもないと思っている。そこにも、向上心は存在しない。どちらにしても、インドはダメな国のままということになる。“まだまだ、あかんなあ”なんて思わない文化なのである。
 列車移動の際、AC車両に乗ってみれば分かる。バカ高い料金が必要なAC車両、乗っているのはカーストが上位のヤツが多いのは想像に難くない。ヤツらの偉そうな態度に気がつかないとしたら、それは注意力が不足しすぎである。

 このカースト制度と密接に関わっているのが、ヒンドゥー教である。簡単にいえば、輪廻を強く意識する宗教なので、今の自分が人から嫌われる仕事につかなければならないのは、前世の行いが悪かったからという理屈(屁理屈と書きたい)を以てしてカースト制度を支えている。
 宗教が「死後の世界」や「生前の世界」を言い出すと、ろくなことにならないとオリエント伯爵は思っている。宗教とは、今をどう生きるかという哲学に限りなく近いものであるべきだと考える。そこには、「死後の世界」や「生前の世界」などという餌をちらつかせる必要などない。
 人は、死んだら死ぬし、生まれたら生まれるのだ。だから、短い人生を精一杯生き抜こうとするのだ。そして、できればより良く生きたいと考え、“より良い”とはいなかることなのかを考えるときの指針となるのが宗教の果たす役割のバズだ。
 オリエント伯爵の価値観がカースト制度を許さないということは、取りも直さず、ヒンドゥー教とも相容れないということになる。

 商売の手法は、旅人が常に接するものである。加えて、宗教とは、国を形づくる重要なファクターである。この2つについて文句アリなのだから、インドを好きになるはずがない。
 

 
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